皆さんこんにちは!
福岡県北九州市を拠点に溶接工事・配管工事・製缶工事を行っている
株式会社九州WELD、更新担当の富山です。
目次
溶接作業の中でも、職人の技術差がはっきり出るのが薄板溶接です。
板厚が薄い材料は、少しの入熱差で歪みや焼け抜けが発生しやすく、見た目だけでなく寸法精度や強度にも影響します⚠️
特に製缶、板金、設備カバー、ダクト、車両部品、装飾金物など、薄板を扱う現場では、
「とりあえず溶かしてつなぐ」では通用しません。
大切なのは、熱を入れすぎないこと、そして必要な強度を確保することの両立です。
今回は、薄板溶接で押さえておきたい基本と実践ポイントを分かりやすく解説します🔧
薄板溶接が難しい最大の理由は、母材の熱容量が小さいことです。
つまり、入れた熱が逃げにくく、局所的に温度が上がりやすいということです。
その結果、次のような不具合が起こりやすくなります。
🔸 焼け抜け(穴あき)
🔸 波打ち・反り・ねじれ
🔸 溶け込み過多による裏波不良
🔸 ビード過大で仕上がり不良
🔸 熱影響部の変色・品質低下
薄板では、ほんのわずかな条件差が製品精度を左右します。
だからこそ「熱量調整」が最重要テーマになるのです🔥
薄板溶接の熱量は、主に以下3つのバランスで決まります。
電流が高すぎると一気に溶け落ち、低すぎると融合不良になります。
板厚に応じた適正レンジを守ることが基本です。
遅すぎると入熱過多、速すぎると溶け込み不足。
“つながる最小入熱”を狙う意識が重要です。
連続で長く溶接すると熱がこもり、変形が増えます。
短いビードを分散して入れることで、熱集中を避けられます。
この3要素を現場で微調整しながら、
必要最小限の熱で仕上げるのが薄板溶接の基本です✅
仮付け不足は、溶接中のズレ・口開き・歪みの原因になります。
適切なピッチで仮付けし、熱変形の“動き”を先に抑えることが大切です。
端から連続で溶接せず、位置を飛ばしながら施工することで、熱の偏りを防げます。
可能であれば左右対称に熱を入れ、変形を相殺します。
薄板は自由度が高い分、熱で簡単に動きます。
固定治具や銅当て板(バックアップ材)を使うことで、精度と安定性が向上します。
連続作業で母材温度が上がり続けると、後半ほど変形しやすくなります。
必要に応じて冷却時間を取り、温度管理を行うことが有効です。
過大ビードは研磨工数を増やし、母材を痩せさせるリスクもあります。
「後工程まで含めた最適ビード」を意識すると品質が安定します。
作業性は高いですが、条件が強すぎると一気に焼け抜けます。
ワイヤ径、電流、トーチ角度、突出し長さの管理が重要です。
入熱コントロールがしやすく、薄板や見た目重視の製品に有利。
ただし速度が遅くなりやすいため、熱の滞留に注意が必要です。
製品仕様・板厚・外観要求に応じて、
工法を適切に選ぶ判断力も品質確保には欠かせません👨🏭
焼け抜け → 電流を下げる/速度を上げる/銅当て使用
反り → 溶接順序の見直し/分散溶接/拘束強化
融合不良 → 開先・隙間管理/電流再設定/清掃徹底
外観不良 → 姿勢・トーチ角の安定/仮付け精度向上
不良が出てから修正するより、
施工前の条件出しとテストピース確認のほうが、結果的に効率的です📈
薄板溶接では、熱で変形しやすいという材料特性を前提に、
熱量調整を中心とした施工管理が重要になります。
入熱は必要最小限に
溶接順序と分散で熱偏りを防ぐ
仮付け・治具で動きを抑える
条件出しで不良を未然に防ぐ
この積み重ねが、寸法精度・外観・強度を高いレベルで両立するポイントです✨
薄板溶接は難しいからこそ、基本に忠実な管理と職人の繊細な判断が価値になります。
安定した品質を実現するために、ぜひ現場の条件を見直しながら最適な熱量コントロールを行っていきましょう😊
次回もお楽しみに!
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